ま、適当に

思いつきで書くよ

またまた画素数と画質論

最近知り合ったんですけど、子供のサッカーを見に来られる保護者の中にカメラ好きの方がいらっしゃいました。その方は50Dを所有しておられ、実兄からもらったとかいう望遠ズームか何かとの組み合わせで子供のサッカーを撮ってるんだけど、なんかこう思ったように上手く撮れない、と嘆いていらっしゃいます。

「サッカーを撮るのってホント、難しいですよね。」

こう語りかけられたもんですから、私はてっきりシャッターを押すタイミングか何かの話だと思い、
「ただ立っている選手を撮っても仕方がないので、ボールを扱う選手を撮るのが基本だと思います。でも、うちのおかんもコレが出来ないでいるんですよね。」
とか、
「AIサーボで撮りたい選手を追いかけていると、フォーカスフレームを外した瞬間に横にいる別の選手にフォーカスを持っていかれたりしますからね。フォーカスを変なところに持っていかれないために、撮りたい選手を真ん中に置く日の丸構図で撮っておいて、あとでトリミングするのが常套手段になってます。」
的なことを申し上げたのですが、どうも話がかみ合わないんです。ん?って感じだったたんですが、話を進めて行くにしたがって”シャッターのタイミング云々”というのは私の誤解で、彼は画質そのもののことを言っているということがわかってきました。

「メーカーが提供しているサンプル画像を見るとすばらしいと思ったりするんですが、私の50Dだと、なかなかクリアにバチッと写らないんですよ。」

こんなことをおっしゃっておられるわけです。
これに対して、私からは、
- メーカーのサンプル画像ってのは、光のとりまわしを考慮しながら、十分に近い被写体を撮ってるからあのように撮れる。
- 光の状態に差がある上に、サッカーみたいに被写体が遠いと、なかなかきれいには撮れるものではない。
と言うようなことを申し上げたのですが、またまた話が少しかみ合わない。会話の節々で妙な違和感が頭をもたげてくるんです。再び、ん?ん?ん?・・・って感じだったので、その原因を確かめようと慎重に話を進めて行きました。

しばらく話して、ようやくその原因が分かってきました。彼は「デジカメっつーのは画素数が多いほど優秀」と考えているようなのです。もちろんコレは特別な信念があってのことではなく、ただ単に阿呆メーカーどもが繰り広げている画素数競争からいつしか帰納法的に体内に染み込んじゃった錯覚に過ぎないようでしたが、とにかく、そんなふうに考えていらっしゃることがこの最初の雑談で分かったのでした。

「これまでこのカメラで撮ってきた写真の画質は、事前に一眼レフに期待していたものよりずっと低いんですよね。」
「やっぱり、1,800万画素の最新のカメラには敵わないんですかねえ。」
「レンズもLレンズとかを買わなきゃ、ダメなんですかねえ。」

こんなことをおっしゃられながら、全然きれいに撮れない自分のカメラを眺めてため息をついておられます。
こりゃちゃんとした説明が必要じゃ。そう思い、まずはセンサーサイズとドットピッチの話をしました。そして、

「近頃のカメラって、機能スペック的にはもちろん進化してるんですけど、”画質”というただ一点において着実に退化しちゃってます。」
「これは昔のキャノン技術者の言ですが、例えばサンニッパ級のどんなにすばらしいレンズをもってしても、解像するのはフルサイズで3,000万画素が限界ということです。現行製品が否定されるので、今の技術者は口が裂けてもこんなこと言わない(言えない)でしょうけどね。」
「1,500万画素の50Dって、フルサイズ換算でザッと2.5倍3,750万画素ってことですから、ここまできちゃうと廉価レンズなど、まともに写るはずがないです。」
「そんなわけですから、1,800万画素のAPS-Cカメラなんか買っても、画質はますます落ちるだけだと思いますよ。」

こう結論付ける私に、これまで漠然と信じていらっしゃった画素数神話を否定されて、彼はちょっと面食らったような表情をされておられました。そこで、これ以上妙な屁理屈をこねくり回すよりも実画像に語らせた方がいいと考え、一つ提案しました。

「5Dとサンヨンをお貸しします。ご自身の手で10枚くらい試写してみてください。」

こう言いながら、サンヨンを装着した5Dに予備のCFカードを差し込んで、これを彼に差し出しました。(彼はRAWを取り扱ったことがないそうなので、5Dの設定もJPEG設定に変えておきました。)

「次に、サンヨンの代わりにいつも使っている望遠ズームを5Dに装着して、これでまた10枚くらい試写してみてください。」
「今度はカメラを変えて、ご自身の50Dにサンヨン、最後に50D+望遠ズームといういつもの組み合わせで、同じように10枚ずつ試写をしてください。」

彼は私に言われるがまま、グラウンドの向こうの方で練習する子供たちを被写体として、様々な組み合わせで試写を続けられました。

「5Dで試写したCFカードはお貸ししますので、今夜は家でじっくりと画質を見比べてみてください。」
「いつもの組み合わせをベースに、カメラだけ交換した場合、あるいはレンズだけ交換した場合の違いが、これでよく分かるかと思います。」

そう声をかけて、その場はそれだけで分かれました。


翌々週、またサッカー撮影に出かけて行くと、彼も観戦に来ておりました。彼は私を見つけると、お貸ししていたCFカードを私に差し出しながら、少し興奮した感じで話しかけてこられました。

「○○さん!(←私の名前です。)画素数と画質の関係がよく分かりました。目からうろこって感じです。私、5Dの中古を買いました。」

そう言う彼の手には、ナント 5D+へなちょこ望遠ズーム がしっかりと握り締められているじゃありませんか。

「えっ、5Dを買っちゃったんですか?それはまたいきなり・・・・」
「あの試写は衝撃でした。だって、私のこのレンズであんなにすごい画像が撮れるんですから。こんなすごいカメラ、買うしかないでしょう。」
「あはは、そうすか。買っちゃいましたか。」
「同じレンズなのに画質がここまで違うなんて試してみてはじめて分かったことで、頭で考えているうちは絶対に分かりませんでした。ありがとうございました。」
「・・・サンヨンはどうでしたか?」
「う~ん、サンヨンもいいレンズだとは思いましたが・・・・・50Dだとそれほどでもなくて、5Dほどのインパクトはありませんでした。」
「そうですか。やはりドットピッチの画質への影響って、とてつもないんってことですよね。」
「5Dとサンヨンの組み合わせは確かにすごかったんですけどね・・・・・・でも、レンズとカメラどちらかなら、カメラに投資するのが先だと思って。」

こんな感じでその後も話を続けたのですが、どうやら彼は試写の結果に驚いて、その翌日の日曜日に5D2を持っている友人にも頼んで、5D2の試写をさせてもらったそうです。で、へなちょこレンズが劇的に生まれ変わる5Dの桁外れの能力を再認識。(「5D2もソコソコだったが5Dには全然敵わない」とのことです。)その友人(カメラ店勤務だそうな)に5Dの中古を探すようお願いして、一週間後、本当に買っちゃったということのようです。(それにしても、なんという行動力なんでしょうか。)

「いや~、でもいきなり5Dの中古なんて、普通そこまで一気に行きますかね~?」(笑)
「私、アホなんです。(笑)でも、カメラってのがすごく面白く思えてきて、・・・今週は平日にも撮りまくってました。」

というわけで、ドットピッチバカがまた新たに一匹、ここに誕生した次第です。この一連の出来事は結構おいらにとっても衝撃的だったので、ここにご紹介させていただきました。彼は今、SILKYPIXというソフトの存在を知ってRAW撮影を学んでいるところで、どうせそのうちレンズだって我慢できなくなってくることでしょうから、前もってタムロンのA005をお勧めしておきました。「これ、Lズームと比べても同等以上だと思いますよ」って。

ついでにダメを押しときました。

「5Dってのは、現代の価値観から見ると機能スペック的にサッカー撮影に向いていないと言われます。連写も1秒たったの3枚ですしね。これだけトロいと、シャッターチャンスを逃すのが当たり前という人もいる。」
「でも、私はそんな5Dで4年間、5Dよりもっとトロいキスデジまで遡ると6年近くもの間、こんなしょうもないスペックのカメラでサッカー撮影を続けています。」
「これって画素数と画質との関係と同じで、実は世の中の価値観の方がおかしいんじゃないかと思ってるんですよ。10年前20年前のカメラスペックを考えてみればいい。その頃、もしこのスペックがあったらどうですか?”向いていない”どころか、これで十分すぎるでしょ?要は考え方次第ってことですから。」

いかにも詐欺師が使いそうな言い回しでしたが、彼は激しくうなずいてくれました。この素質、この行動力。彼はおそらくこのまま着実に泥沼におはまり頂けることと確信いたしました。まことにご愁傷様でございます。

んじゃ。

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  1. 2010/11/15(月) 20:52:26|
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