まず、我がMPVで昨年静岡県東部まで東名高速で80km/h走行を意識して走ったときの記録を示します。実際の平均速度はこれより少し遅くなって75km/h程度でしたが、このときはぶっちゃけ、下の一般道も含めて15.5km/Lまで行きました。(相当神経使いましたから。)このときは乗っていたのは運転手の私一人で、同乗者はゼロ。荷物もほとんど載せることなく、エアコンは未使用でした。これを、今回の高知往復と比較すると次のようになります。
昨年東名 高知往路 高知復路
燃費 15.5km/L 11.5km/L 11.0km/L
平均速度
・高速道 75km/h 105km/h 110km/h
・一般道 不明 不明 不明
高速割合 95% 95% 90%
人員 1名 4名 4名
増加重量 0kg 170kg 160kg
エアコン × ○ ○
途中下車回数 1回 5回 14回
というわけで、こんなバラバラのデータから統計的なことなど言えるもんじゃありませんが、そこをなんとか考察してみます。
まずは大雑把に、今回の高知往復を定量的・金銭的に把握するため、ガソリンの価格を130円/Lとし、仮に80km/hでの走行を意識して(実平均速度75km/hで)高知まで走破することを想定してみると、片道10時間40分で、消費ガソリン量は52L、6,700円ということになります。これを実際の高知往復と比較してみます。
前にも述べましたとおり、高知往路では120km/hを意識して走っておりましたが、これは速度が落ちたら可及的速やかに120km/hまで増速するというもので、120km/h以上の速度で走ることは滅多にありませんでした。実際には結構な頻度トラックやら遅い車に前をふさがれて減速を強いられましたし、上り坂での自然減速やSAに立ち寄るための減速等もありましたので、その実平均速度は意外と低く、105km/hくらいにしかなりませんでした。これで上記と同じ計算をしてみますと、800kmの道のりを105km/hでひた走る計算になりますから、順調なら片道7時間40分、消費ガソリン量70L、9,100円ということになります。この記録は同乗者を含めて170kgほど余計な荷物を載せ、エアコンも入れっぱなしにしたときのものですから、ここで得られた燃費記録をもって、そのまま75km/h平均の記録と比較するには無理があります。そこで、条件を揃えるために補正を試みることにします。
積載重量による燃費の変動については記録をとった経験があり、170kgだとだいたい1.5km/Lくらいの燃費の差(基本となる燃費が11km/L内外である場合)ということが分かっています。ただ、これはあくまでも一般道での記録なんで、これをそのまま高速道路に適応できるかどうかちょっと疑問です。重量による影響は定速走行時よりも発進や停止でより顕著に出てきますが、高速では一般道のように発進・停止を繰り返すことはありませんので、その燃費の差は、一般道の記録1.5km/Lよりも小さい値になると思います。
また、空調について、高知往復ではずっと最小風量でエアコンを入れ続けておりました。以前に触れました通り、エアコンというのは一般道だと1~3km/Lの記録後退につながる要素なんですが、この目安は一般道の走行条件を踏まえて計算した結果を記載したもので、高速道路でこの値をそのまま使うこともできません。実際のエアコンによる燃費の悪化は、エアコンをつけたときにどれだけガソリン噴射量の増加するかにかかってきますが、私のMPVではエアコン最小風量のときにはこれが概ね10ml/min程度であることが分かっています。ここから大雑把に高速道路での燃費の悪化程度を逆算してみますと、燃費が10~15km/L、120km/h平均で走るとして、0.3~0.5km/Lくらいの燃費悪化につながるってことになります。
以上の結果から、積載重量とエアコン、この両者を併せた影響を1.5km/Lの記録悪化と見ることとします。いきなり断定調で今ひとつ正確性には欠けているきらいはありますが、それでもまあ、当たらずといえども遠からずといったところだと思います。
というわけで、同じような補正を復路でも試みて(復路は走行条件が入り組んでいるので計算が少しややこしかったので、計算の詳細は省略)、条件を同乗車・搭載荷物なしの状態に揃えて作表しなおしてみると、次のようになります。
<走行条件 : 乗員1名、増加積載なし、エアコンなし>
昨年東名 高知往路 高知復路
高速道路
・意識する速度 80km/h 120km/h 120+km/h
・実平均速度 75km/h 105km/h 110km/h
燃費 15.5km/L 13.0km/L 12.0km/L
高知片道
・時間 10時間40分 7時間40分 7時間20分
・ガソリン代 6,700円 8,000円 8,700円
片道800km比較
・時間 - ▲3時間 ▲3時間20分
・ガソリン代 - +1,300円 +2,000円
こんな結果が出てきました。さて、この記録を踏まえた上で、皆様なら高知までどの速度で行きますか?
「最もパフォーマンスがよさそうな120km/hで行く。」
そうなりませんか?
この結果から、ぶっちゃけ長距離で高速を利用する際にも一般道のように燃費を追及するって行為は、ちょいとアホらしい匂いがしてきますよね。一人で運転していたとしても、たった1,100円で3時間もの時間節約になるわけですから。これならJRの特急料金よりずっと安上がりです。ましてや、複数人数で遠出する場合は尚更なのではないでしょうか。例えばこれを高知往復と同じ条件、即ち、家族4人でエアコンを入れっぱなしで運転したものとして捉えて作表しなおしてみます。
<走行条件 : 乗員4名、積載増加重量170kg、エアコン最小風量>
昨年東名 高知往路 高知復路
高速道路
・意識する速度 80km/h 120km/h 120+km/h
・実平均速度 75km/h 105km/h 110km/h
燃費 14.0km/L 11.5km/L 11.0km/L
高知片道
・時間 10.7時間 7.7時間 7.3時間
・ガソリン代 7,400円 9,000円 9,500円
片道800km比較
・時間 - ▲3時間 ▲3時間20分
・ガソリン代 - +1,600円 +2,100円
ほら、4人全員で1,600円、一人当たり400円の持ち出しで、それぞれの時間を3時間も節約できることになるんですからね。こりゃあもう、「つべこべ言ってないでアクセル踏んじゃお」ってなるのが普通でしょう。
んじゃ、これまで延々と述べてきた”燃費の追求”って何なのでしょう?結局エコ運転技術ってのは、急いでも急がなくても運転時間がさほど変わらない一般道限定の技術ってことになるのでしょうか?・・・・・うん、この大雑把な考え方って結構真理をついてるような気がします。ただ、走行中の景色を楽しむとか、目的地に到着してからの体力なども勘案して判断する必要はあります。高速でぶっ飛ばせば、それだけ疲労度にも違いが出てまいりますからね。要は、TPOに応じて使い分けるってことなんでしょう。
これって、「日々の食費は工夫して抑えるけれども、ごくたまに外食するときくらいはあまり予算を気にせずいいものを食べよう」というのと似た感覚ですね。これが普段の通勤だったら、片道1時間以上かけているとはいえ、運転法によって到着時刻に10分もの差がつくことなどまずありません。どんなに無茶な運転をしたところで、数分稼げるのがせいぜいです。この程度の時間のために、神経とお金を使ってガツガツと大阪人みたいに急いでみても始まらない。それくらいなら費用節約に励む。ただ、○○時間といった単位で時間節約できるような長距離の高速道路を移動する場合は、80km/hじゃなくて120km/hを基本に走ることにしよう。こんな感じでいいのではないでしょうか。
というわけで、普段は徹底してエコ運転。神奈川県外に出るような長距離移動の時だけ、このエコ運転の枠をはずしてやる。これを我が運転のスタンダードとして定めよう。それを学んだ高知往復でありました。・・・とまとめて、これまでダラダラと書いてまいりましたリハビリ日記・屁理屈記録を終了したいと思います。ご清聴、ありがとうございました。(なんじゃ?)
スポンサーサイト
- 2008/04/14(月) 20:59:55|
- 車
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0